フロイトの函 (単行本)
内容紹介
どんな卑猥な欲望も、精神分析医はお見通し!
真っ暗な汽車の中で目覚めると、ぼくはすっかり記憶を失っていた。自分はどこから来てどこへ行くはずだったのか? 同乗していたフロイト博士と名乗る男の精神分析の助けを借りて、心の奥底への旅が始まる。
内容(「BOOK」データベースより)
停電した真っ暗な汽車の中で、ジークムント・フロイト博士と乗り合わせた記憶喪失の青年。自分が何者なのかを知るために、博士の催眠術を受けることに。しかし、深い眠りの淵から戻ると…ぴちぴちのちっちゃなブリーフ一丁の姿になっていた。ブリーフの上になぜかスカートを穿かされ、フロイト博士に連れられて訪れた伯爵の館では十三歳の娘の肢体に惑わされたり、間男の濡れ衣を着せられたり、ひいてはヨーデルについて講演をさせられたり。この果てしない乱痴気騒ぎの行き着く先は…?精神分析は科学に見せかけたポルノグラフィーなのか?挑戦的なテーマに露悪的に取り組み、すべての非難も先回りして確信犯的に内側に取り込むメタフィクション。デビュー作『グノーシスの薔薇』以上に物議を醸したマドセンの最新作。
ティンブクトゥ (単行本)
柴田元幸 on ポール・オースター
ジャックとオースター
ポール・オースターには1990年くらいからだいたい一年に一度のペースで会っていますが、90年代なかばあたりからか、ブルックリンの家に遊びに行くたびに、ドアを開けて迎えてくれるポールのうしろに、やたらと毛のふさふさした、人の(犬の)好さそうな犬が控えているようになりました。
見かけと真実との錯綜した関係はオースター文学の大きなテーマですが、この犬――ジャックといいます――はまったく単純に見かけどおり、本当に人なつっこい犬です。すごく寂しがり屋で、みんな(ポール、奥さんのシリ、お嬢さんのソフィー、僕と僕の妻)で食事に出かけようということになって、ぞろぞろドアから出ていくと、ウォォォォォォォォォォォォンと鳴くこと鳴くこと、ドアを閉めて道を歩いていてもしばらく聞こえていました。
そんなわけで、何年か前に「今度は犬が主人公の小説を書いているんだ」と言われたとき、これはきっとジャックと暮らすようになったことの成果だな、と思いました。もちろん、ジャックそのままの性格の犬が出てくるとは思わなかったけど(あんなに素直にいい性格では物語にならないと思う)、『スモーク』や『ルル・オン・ザ・ブリッジ』などの映画作りにかかわったことが、The Book of Illusionsのなかの映画に関する記述に確かな手応えを与えているのと同じような意味で、ジャックと過ごした時間が栄養分になっている小説にちがいないと思ったし、その予想は外れていませんでした。
だから、日本語訳『ティンブクトゥ』の表紙を考える際も、ジャックに似た犬の写真を使ってもらいました。新潮社装幀室はいつも素晴らしい仕事をしてくれますが、今回の表紙は、そういうわけで、いつにも増して好きです。
僕は犬を飼ったことがないし、どんな犬であれ、犬の生態についてはほとんど何も知りませんが(道を歩いていて、散歩をしている犬を見るのは大好きですが ――特に、寄りかかれそうなくらい大きなやつ)、『ティンブクトゥ』は、犬を主人公にしてはいても、僕のような犬音痴も疎外しない小説だと思う。このへんもいかにもオースターらしくて、この人はたとえばニューヨークの街を描いても、べつにニューヨークに行ったことがない読み手にもよくわかるような、それでいて単に絵葉書の引き写しではない、街の空気がはっきり伝わってくる描き方ができる人で、今回も同じことが犬について言えるんじゃないかと思います。犬の好きな人にも、べつに好きじゃない人にも、お読みいただければとても嬉しいです。
――柴田元幸 (イラスト:きたむらさとし)
出版社 / 著者からの内容紹介
優しかったウィリーに再会するために、ティンブクトゥへ行こう。出会いの喜び、別れの悲しみ。言葉の分かる犬と放浪癖のある飼い主の可笑しくて感動的な物語。オースターの最高傑作ラブストーリー。
指輪物語 (10) 新版 追補編 (文庫)
出版社/著者からの内容紹介
壮大な『指輪物語』の世界を、より深く知り、より広く楽しむためにー。本編では描かれなかった事実や、指輪の仲間たちのその後、アラゴルンの先祖たちの物語、『指輪物語』以前の歴史に関する記述、その年表などを収録。巻末に〈固有名詞便覧〉を掲載。
内容(「MARC」データベースより)
壮大な「指輪物語」をより一層楽しむために-。アラゴルンの先祖や、指輪の仲間のその後がわかる。巻末に詳細な索引付き。「指輪物語」の、なお深い物語の広がりが堪能できる。
チーズはどこへ消えた? (単行本(ソフトカバー))
Amazon.co.jp
変化は吉にも凶にもなり得る。それはあなたの考え方次第である。本書は、「チーズ」の本質とそれが人生で果たす役割を理解すれば、誰しも変化をありがたく思うようになるだろう、と呼びかける。 これは世界を迷路になぞらえた寓話である。そこには4つの生き物が暮らしている。スニフとスカーリはネズミ。分析力も判断力もない彼らは、ただやみくもにチーズを求め、手に入れるためならどんなことでもしようとする。ヘムとホーは「小人」で、ネズミサイズの人間だ。彼らのチーズに対するかかわり方は、ネズミたちとはまったく違う。2人にとってチーズは単なる食べものではなく、自己イメージなのだ。彼らの生活や信仰のシステムは、見つけたチーズを中心に形成されていく。 読み進めるうちに、この物語の中のチーズとは、我々の生活手段、たとえば仕事や職歴、仕事で携わっている産業に関係があると、ほとんどの読者が気づくはずだ。そればかりでなく、チーズは健康から人間関係にいたるまであらゆるものの象徴と受け取れるのである。この物語の要点はすなわち、「我々はいつもチーズの変化に敏感でなければならず、チーズがなくなったときに新しいチーズを求めてすぐさま行動を起こせる姿勢でなければならない」ということなのである。 ドクター・ジョンソンは多数の著書を持ち、『The One Minute Manager』の共著者でもある。この寓話は、変化を恐れたり反発したりする人々がいそうな場所、たとえば企業、教会団体、学校、軍隊組織などに向けて発信されている。分析好きで懐疑的な読者のなかには物語が単純すぎるとする向きもあるだろうが、本書の素晴らしさは、94ページ足らずで万物の変遷の歴史をまとめ上げてしまった点である。物事は変化する。これまでもそうだったし、これからもずっとそうだ。そして変化への対応方法が人それぞれ異なる限り、変化に気づかないふりをしている者はいつも同じ目をみることになる。…チーズがなくなる、という憂き目を。
--このテキストは、
ハードカバー
版に関連付けられています。
出版社/著者からの内容紹介
この小さな本が世界のビジネスマンを変えてゆく!
迷路のなかに住む、2匹のネズミと2人の小人。彼らは迷路をさまよった末、チーズを発見する。チーズは、ただの食べ物ではなく、人生において私たちが追い求めるもののシンボルである。
ところがある日、そのチーズが消えた!ネズミたちは、本能のままにすぐさま新しいチーズを探しに飛び出していく。ところが小人たちは、チーズが戻って来るかも知れないと無駄な期待をかけ、現状分析にうつつを抜かすばかり。しかし、やがて一人が新しいチーズを探しに旅立つ決心を…。
IBM、アップル・コンピュータ、メルセデス・ベンツ等、トップ企業が次々と社員教育に採用。単純なストーリーに託して、状況の変化にいかに対応すべきかを説き、各国でベストセラーとなった注目の書。880円でアナタの人生は確実に変わる!
買われた子爵夫人 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
地味でやぼったい令嬢。それが、最近までのダフネだった。ところが、大叔父の遺した屋敷で暮らすダフネのもとへ突然叔母が現れ、強引かつ性急な“変身”を強いたのだ。眼鏡はコンタクトレンズに、流行遅れの服はドレスに…。まるで私じゃないみたい。夢見心地で帰宅したダフネは、見知らぬ男性が屋敷を歩きまわっていることに気づく。大叔父の爵位を継ぐアメリカ人ブラントが訪ねてきたらしい。ダフネが物陰からこっそり観察していると、ブラントはかつての彼女の写真を眺めてうめいた。「ひどいな」なんと無作法な人!怒れるダフネはまだ知らなかった―そのブラントの花嫁になるよう、遺言で命じられていることを。
内容(「MARC」データベースより)
大叔父の遺した屋敷で暮らすダフネは地味で野暮ったい令嬢。ある日、屋敷に大叔父の爵位を継ぐアメリカ人ブラントが訪ねてきた。ダフネはまだ知らなかった。そのブラントの花嫁になるよう、遺言で命じられていることを…。
星を継ぐもの (文庫)
出版社/著者からの内容紹介
【星雲賞受賞作】
月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの新星が一世を風靡した出世作。
出版社 東京創元社編集部, 2003/05/17
現代ハードSFの巨匠のデビュー作!
小野不由美さんが推薦! 「SFにして本格ミステリ。謎は大きいほど面白いに決まっている」
トムは真夜中の庭で (単行本(ソフトカバー))
出版社/著者からの内容紹介
知り合いの家にあずけられて,友だちもなく退屈しきっていたトムは,真夜中に古時計が13も時を打つのをきき,昼間はなかったはずの庭園に誘い出されて,ヴィクトリア時代のふしぎな少女ハティと友だちになります.「時間」という抽象的な問題と取り組みながら,理屈っぽさを全く感じさせない,カーネギー賞受賞の傑作です.
内容(「MARC」データベースより)
友だちもなく退屈しきっていたトムは、真夜中に古時計が13も時を打つのを聞き、昼間はなかったはずの庭園に誘いだされて、ヴィクトリア朝時代の不思議な少女と友だちになり…。75年刊の新版。〈ソフトカバー〉
Vフォー・ヴェンデッタ (文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
第三次世界大戦後、独裁国家と化した近未来の英国―そこは政府が人々の自由を剥奪し管理する世界だった。TV局に勤める普通のOL、イヴィーは外出禁止令を破り自警団に襲われそうになったところを「V」と名乗る仮面の男に救われる。謎の男「V」は裁判所の爆破、TV局の占拠、政府要人の暗殺、主教の断罪と、次々と国家に対して反逆の狼煙を上げる。図らずも正体不明のテロリスト「V」と知り合ったイヴィーは、彼の行動力と知性、カリスマ性に惹かれつつも、過去の怨念にかられたとも思えるその過激さを恐れる。さらに「V」は革命の総仕上げとして、かつて1605年に政府転覆を狙ってガイ・フォークスが企てた“火薬陰謀事件”と同日である11月5日に圧政国家を糾弾するため市民に国会議事堂へ結集するよう呼びかける。そんな中、イヴィーは謎に包まれた「V」の素性を徐々に知るとともに、自分自身についての真実も知るようになる。そして、悲願の11月5日がやって来る―果たして革命は成功するのか?イヴィーの決断は?「V」の命運は?映画本編では描かれなかったビハインド・ストーリーを含む完全小説版。
影のなかの恋人 (文庫)
出版社 / 著者からの内容紹介
潜入捜査中にパートナーを殺され、自らも瀕死の重傷を負ったコナー。事件の黒幕ノヴァクと裏切り者の元上司エド・リッグスを逮捕して半年、彼は古巣のFBIを去り、燃えカス同然の生活を送っていた。そんななか、かつての同僚からノヴァク脱獄の一報が!時を同じくして美貌の娘エリンの周囲で起こり始める奇妙な出来事、そして不気味にちらつく謎の億万長者の影。コナーは封印した想いを胸にエリンと再会し、彼女を守り抜くことを誓うが…衝撃のラブサスペンス!
内容(「BOOK」データベースより)
潜入捜査中にパートナーを殺され、自らも瀕死の重傷を負ったコナー。事件の黒幕ノヴァクと裏切り者の元上司エド・リッグズを逮捕して半年、彼は古巣FBIを去り、燃えかす同然の生活を送っていた。そんななか、かつての同僚からノヴァク脱獄の一報が!時を同じくしてエドの美貌の娘エリンの周囲で起こり始める奇妙な出来事、そして不気味にちらつく謎の億万長者の影。コナーは封印した想いを胸にエリンと再会し、彼女を守り抜くことを誓うが…衝撃のラブサスペンス。
数学的にありえない〈上〉 (単行本)
出版社/著者からの内容紹介
天才的数学者ケインは奇怪な神経失調に苦しめられていた。だがその「病」には大きな秘密が隠されていたそれは世界を根底から揺るがす「能力」の萌芽だった。それを知った政府の秘密機関が動き出す。ケインは知らぬ間に巨大な陰謀に巻き込まれたのだ。 数学、物理学、統計学のトリビアをちりばめ、いくつもの物語がいっせいに疾走を開始する。CIAの女性工作員、一攫千金を狙う科学者、人間狩りのプロたち執拗な追手から逃れつつ、ケインは謎を解かねばならない。彼の「能力」とは何なのか? 秘密裡に進められる「研究」の正体とは? 超高速で驀進し、錯綜する物語は、やがて一点に収束、驚愕の真相が明らかになる。
空前絶後のジェットコースター・サスペンス、前代未聞の物語のアクロバットに瞠目せよ!
内容(「BOOK」データベースより)
破滅寸前の天才数学者ケイン。彼を悩ませる謎の神経失調には大きな秘密があった。それは、世界を根底から揺るがす「能力」の萌芽だったのだ。それを狙い、政府の秘密機関“科学技術研究所”が動き出し、その権力を駆使してケインを追いはじめた。なぜ彼らはケインを追うのか?彼らが狙うケインの「能力」とは何なのか?そして科学者トヴァスキーが進める「研究」の目的とは?執拗な追手から逃れつつ、ケインはその謎に迫ってゆく。いくつもの物語が謎をはらんで一斉に疾走、ここに前代未聞のアイデアを仕込んだジェットコースター・サスペンスが幕を開ける。第1回世界スリラー作家クラブ新人賞受賞作。